この作者はとても文章が上手です。でもって、子供時代の滑稽さとかやさしさとか残酷さとか、イノセントな部分をうまく書き出していると思います。戦後すぐの子供達の生活。野球やメンコに夢中になっていた頃のお話です。今50歳くらいの人が読むと、とても懐かしさを感じる題材なのでしょうが、僕はまだ若いので、あまりピンときません。
ただ、僕が子供だった(今も子供だといわれますが)20年くらい前は、駄菓子屋とか空き地とか、まだ「子供の世界」というものが確実に有って、はらはらしながら日々を送っていたのも事実です。そう考えると、最近の子供のうろうろしている世界は、なんか味気のないものに感じられるのです。うーん、でも、「最近の子供」とか、こういった表現はちょっといやですねえ。